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東風(こち)吹かば

気に入らぬ 風もあろうに 柳かな

解離機制によるストレス対処と憑依およびその治療

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ストレスとなるようなイベント体験は、通常、
時間の経過とともに過去の記憶に伴う苦痛は薄れていく。
おそらく、エッセンスである経験とイベント記憶と感情のパーツに消化され
各々が脳内のいろんな部分に蓄積されることで
時間とともに感情や記憶が流れて風化していくように感じるのだろう。


ところが、である。
中にはこういう処理が出来ないため、
とりあえず自我の袋で包んでイベント体験のまま放置されているらしい。
このような対処では、一時的に苦痛は回避されても、
その感情に伴う苦痛や葛藤は消化されることがなく、
類似体験を繰り返すことで葛藤が蓄積し、
それを包み込み周縁化するために自我はどんどんやせ細り、
心理的負担は大きくなり、ストレスに耐えられなくなる。

このような状態では、「“今・此処”にいる私(主人格)」の中に
「過去のままのもう一人の私(交代人格)」が共存することになる。
このような典型的解離性障害ではなくとも、
プチ解離的なストレス対処(内在性DID)は多くの人で見られ、
自問自答(あるいは脳内会議)をすることが多いという。


今日のセミナーは、こういう内在性DIDに対する
『タッピングによる潜在意識下人格統合法(USPT)』だった。
要はタッピングにより交代人格を呼び出し、主人格と統合する方法。
プロセスワークの1次プロセス・2次プロセスと技法的には共通しており、
ナラティヴを紡ぎ出して統合まで導き、肩甲骨周辺へのタッピングで統合する。
面白いのは、最後に、基本人格を成長させ、主人格をその中に入れてしまうやり方。
プロセスワーク的には、2次プロセスを生きるということであろうか。


エッジ(抵抗)を越える時には、意識レベルを下げるタッピングの方が
やりやすいのかもしれない。
また、統合の時の肩甲骨周辺(特に風門部)へのタッピングは
抜き加持の最後にも風門を閉じる作法があるように、
セラピーの構造枠として有効なのかもしれない。

ただ、”憑依人格”とされたものは、本当に霊かどうかは定かでなく
ビデオを見ている感じでは、単なる自我から遠い人格であるように思えた。
なぜなら、ニューエイジ系が言うような頻度で憑きものとしての憑依は起きないし、
輪廻する主体が人格であるのもあり得ない(多くは残留想念?による被影響体験)。

USPTでいう浄化という「光の天国に送る」作業は、
単なる二元論の中への送還、つまり輪廻の中に戻しているだけなので、
USPTは「困難があっても自分で乗り越えていく」覚悟のない人には適応とならず、
また統合後もそれまでの回避・解離的なストレス対処の習慣をやめない限り
いつしか複数の交代人格を作っているという輪廻に戻ってしまうからである。


これは祈祷の場合も同じで、「やってもらう」というお任せ感覚では験が出ないので
祈願内容によって、ある一定期間の写経や勤行を課す事が多い。
つまり、交代人格の統合が治癒的に働くのではなく、
モチベーションと治療者との共同作業が奏功するのだろう。



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