結界〜境界の形成〜 |
|
2008-06-29 Sun 16:36
![]() 昨日、エンボディード・ドリームワーク専門の配偶者とワークの場の話になった。 エンボディード・ドリームワークでは、 半覚醒の意識状態〜hypnogogic state〜で、 夢の中に立ち現われてくる目に見えぬイメージを 体(形)を具えたものにならしめる(具体化する)プロセス、 つまりイメージに体(形)が与えられ、 その夢の中に組み入れられ、夢の中に融合していく。 夢の中に入り、現われてきたイメージのさまざまな側面に入り、 そのイメージを身体性を伴って体験することこそが ドリームワークでは重要なのであるなら、 夢を体現(embodied)していく誘導は、 『私』の中に『私』とは異なる、 夢を作り出している「夢主」(dreamer)を召喚・生起し 受肉(incarnate)させる作業に他ならない。 つまり、『私』の中に、「変容の容器」である夢の場を創り出すことこそ エンボディード・ドリームワークの主眼ではないか? 変容の容器については、ユング派の故・織田尚生先生が 『心理療法の想像力』の中で以下のように述べておられる。 治療者と病者との中間領域に守られた場、つまり容器を形成し、そこで変容の過程を体験することによって癒しが生じる。治療者と患者とは治療的な対人関係を形成するが、外的な両者の関係性ばかりでなく、容器のなかに同時に関係性を生じている。このような二つの関係性を治療者として体験していくことは、必須の作業であろう。 中間領域という概念は、なぜ必要だろうか。臨床経験から考えてみよう。心の変容が容器のなかで生じるとすれば、私たちはこのような容器のあり場所をどこに求めればよいだろう。容器は生きた器でなければならず、それが治療的な対人関係と想像力によって生じることから、変容の容器は治療者と患者との中間領域に生じると言える。 心理療法とは、治療的な容器を治療者と患者との間に成立させ、その容器のなかの過程の進行を守っていく作業である。ところで容器を形成し保持するためには、治療者は想像力を、どのように働かせたらよいだろう。 すでに述べたように、私の心のなかには二種類の想像力が働いていた。ひとつは荒寥とした雪の駅舎であり、他方はもっと明るい牧場の光景である。前者は患者の心象風景に近く、後者は治療者本来の想像力の世界に近い。ここでは治療者に複数の心性が作用しており、後者に関する想像は女性の絶望を補償する補償的ファンタジー(逆転移)であるとも言えるだろう。大切なことは患者の絶望に共感するばかりでなく、それに刺激されて生じた補償的な想像活動にも注目し、両者の間のずれを体験することである。このことによって、治療者と患者との間の中間領域における治療的な容器の形成と、そこでの変容過程とが促進される。 患者にとって、心理療法が進展するまでの間は、建設的な治療者患者関係を、想像力を用いて心理的に体験することは困難である。心理療法には危険性が内在しており、治療者と患者との中間領域に守られた容器を形成することができず、治療者が実際に体の病気になったり、患者との問題に巻き込まれて精神的な変調を来すこともある。ときには治療者が、困難な患者との関係性が引き金となって自殺してしまうという危険すらある。治療者自身を守れなければ、患者を守り通すこともできない。治療者は心のなかに傷ついた患者を想像力を通して抱えながら、しかもその作業に圧倒されないように自分を守り続けるという、困難な課題を背負わされている。 『私』の中に、守られた「変容の容器」である夢の場を創り出すこと その中で進む変容が漏れ出さないようにするには、結界が不可欠ではないのか、と。 「ボズナック先生に聞いてみる」と配偶者。 密教の修法では、本尊を浄土から召喚し、供養し、 撥遣して浄土にお返しする作法の前後で、五種の結界結護がなされる。 エンボディード・ドリームワークのやり方は 慧印万行自在法の口訣として師匠から教わった 「自身の心蓮台の上に本尊を生起し、壇上に撥遣供養し再び心蓮台に導引する」 というプロセスと似ている。 ここでの結界は、心理療法での変容の容器でもあると同時に 自身即本尊瑜伽の場でもあり、空性が具現する場でもある。 ドリームワークや心理療法のセッションを終結する時に 空性に還すプロセスが欠如していることは、 場に生起された無意識の力に巻き込まれ その影響を受け続けるという危険に巻き込まれかねない。 実際に人によっては数日間、体調を崩すなどの影響も出ている。 ならば、心理療法においても 荘厳行者法、結界法、荘厳道場法、勧請法、結護法、供養法の 5つの修法プロセスをなぞることは、 クライアント、セラピスト、第三主体を含めた場を守る 力として作用するのだろうと考えている。 |
この記事のコメント |
|
|
||
| 管理者だけに閲覧 | ||
|
|
||
この記事のトラックバック |
|
| 東風(こち)吹かば |
|





